第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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【背景と目的】 EOMと EGPAはともに気管支喘息や鼻副鼻腔症状をよく合併し、中耳炎の性状も似ている。本研究の目的は EOMと中耳炎を合併した EGPAの臨床的特徴の比較検討である。【対象と方法】2007年から2018年までに当科を受診した EOM11例22耳(女性11例)と中耳炎を合併した EGPA12例20耳(男性2例、女性10例)を対象とし、比較を行った。
【結果】気管支喘息・慢性副鼻腔炎・鼻茸の合併率、中耳炎・気管支喘息・慢性副鼻腔炎の診断年齢、中耳炎発症から気管支喘息・副鼻腔炎発症までの期間に有意差はみられなかった。末梢血好酸球分画は EGPA群が優位に高値であり、 EGPA
群では6例(50.0%)で MPO―ANCAが陽性であった。最新の鼓膜所見では、 EOM群で穿孔や耳漏などの異常所見を多く認め、最新の平均気導聴力閾値、気骨導差は有意に EOM群が大きかった。
【結論】確定診断前に中耳炎が先行する EGPAと EOMの鑑別は耳鼻科的な臨床所見のみからは困難である。 EOMと診断しても、末梢血好酸球や血清 ANCAの定期的測定と EGPAに特徴的な全身症状の監視が EGPAの早期発見に寄与する。

2019/05/10 9:20〜10:20 第7会場