経外耳道的内視鏡下耳科手術(transcanal endoscopic ear surgery : TEES)は低侵襲である以外にも、死角の減少や病変の拡大視による詳細な観察等、利点は多い。しかし内視鏡下手術にまつわる課題として、内視鏡スコープの取り扱い、片手操作や出血への対応等の問題点がある。これらが足かせとなって TEESの導入をためらう施設もあると推測する。また鼓膜や鼓室の病変に対する TEESの外耳道を経由するアプローチは理にかなっているが、病変が乳突洞に存在する際の TEESの適応やその対応には議論があるところである。今回これらの問題点に対して、当科で行っている工夫や対策に関して報告する。内視鏡の持ち方や位置によって手術画像がどのように変化するか、若手医師と指導医による手術画像を比較提示する。また術中の出血に対する当科の工夫に関して解説する。乳突洞病変に対する対応を供覧する。
2019/05/10 11:10〜12:20 第4会場