副鼻腔嚢胞は副鼻腔自体に由来する拡張性嚢胞であり、その原因は続発性、特に術後性によるものが大半とされる。嚢胞が篩骨洞・蝶形骨洞に生じ進展すると視力障害を来すことがあり、鼻性視神経症と呼ばれる。視力予後は術前からの視力低下の程度、症状の増悪速度、発症から手術までの期間によるとされており、嚢胞による症状出現を認めた場合には速やかに嚢胞を摘出し視神経の圧迫解除を行うことが望ましい。今回われわれは嚢胞による視力障害を発症し2週間が経過した後の手術で術前視力まで回復した1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
2019/05/10 11:20〜12:20 第3会場