第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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タイトル

鼻副鼻腔に発生する線維性骨病変の内小児に発生するものを juvenile ossifying fibroma(JOF)と呼び、その臨床像・病理像から juvenile psammomatoid ossifying fibroma(JPOF)や juvenile trabecular ossifying fibroma(JTOF)に分類される。中でも、 JPOFは局所侵襲性を持ち、発生部位や大きさによって、眼球突出、鼻閉、顔面非対称などさまざまな症状を引き起こし、重症例では視力障害の転機をたどる可能性のあるまれな疾患である。術前に診断を確定することは難しく、診断的治療目的に手術が必要となる。しかし、腫瘍は血流が豊富であり、眼窩、頭蓋底などの鼻腔外の重要臓器に接していることが多く、完全に切除することが難しく、再発率は30から50%である。腫瘍を完全摘出する技術と同時に頭蓋底、眼窩壁や主要血管の損傷への対応技術を術者は必要とされる。当院ではこれまで鼻副鼻腔発生の線維性骨異形成症6例に対して内視鏡下で根治術を行っている。術中動画を供覧の上、線維性骨異形成症に対する内視鏡下鼻内手術の工夫について文献的考察を含めて報告する。

2019/05/10 10:20〜11:20 第3会場