第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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近年、不十分な根管治療や歯科治療後の歯性副鼻腔炎が増加している。歯性副鼻腔炎の治療は歯科では根幹治療や抜歯が行われ、耳鼻咽喉科では内視鏡下鼻副鼻腔手術(Endoscopic Sinus Surgery ; ESS)が行われることが多い。今回、2017年4月から2018年12月までの21カ月間に当科で手術を施行した25症例を対象に治療経過や施行術式の検討を行った。抜歯が行われたが治癒せず ESSを施行した症例が11例であり、 ESSと同時に抜歯を施行した2例、抜歯時の残根遺残などがあり ESSと同時に残根摘出を施行した4例と合わせて17例で抜歯が行われていた。根幹治療を施行したが治癒せず ESSとなった症例は5例で、その内1例は ESS後に抜歯に至っている。1例は ESSで歯根端切除術を施行し、歯科的治療は未施行な症例が2例あった。歯性副鼻腔炎は歯科と耳鼻咽喉科の境界に位置する疾患であり、 ESSのみでは治癒しない症例もある。耳鼻咽喉科医にも歯科治療の知識が求められ、歯科との協力体制が求められる。

2019/05/10 9:20〜10:20 第3会場