第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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【背景】以前当院では就学検診における検討を行っており、今回当院の過去の例から就学後にみつかった小児先天性真珠腫(就学以降発見群)において特徴がないか検討した。【対象】2009年7月から2017年5月の間で就学後に発見され当科で初回手術加療を行った小児先天性真珠腫11耳について検討した。【結果】中耳真珠腫の病態内訳としては stage 1aが1耳、 stage 1bが3耳、 stage 2が7耳であった。滲出性中耳炎合併については、就学以降発見群の児童では11耳中1耳(9%)に認めた。伝音難聴の比較では、就学以降発見群では 10〜 20dBで1耳、 20〜 30dBで2耳、 30〜 40dBで2耳、 40〜 50dBで3耳、 50dB以降で3耳であった。【考察】中には3年生検診で指摘後も難聴の結果を毎年放置していたため初回手術が14歳まで遅れた児童も認めた。この児童は stage 1b、 closeタイプであり、発見から手術までの期間が必ずしも stageの進行と相関しないことが考えられた。滲出性中耳炎の合併率が就学検診群と比較して低下傾向であったが、これは滲出性中耳炎の好発年齢を過ぎた集団であるからと思われる。

2019/05/10 11:20〜12:20 第2会場