はじめに)初回鼓膜チューブ挿入術において、小児滲出性中耳炎ガイドライン(2015年度版)では短期留置型チューブを第一選択にすべきと明記している。当院では年齢・症例を問わず短期留置型の高研D型チューブを挿入している。今回、チューブ挿入後の成績および再発・合併症を起こした症例において術前・術中所見における臨床的特徴を検討した。対象・方法)2014年4月から2017年12月までに15歳未満の小児に鼓膜チューブ挿入術を行った39例68耳(男児22例、女児17例)を対象とした。平均年齢6.1歳(1〜13歳)であった。評価項目は年齢、性別、既往歴、中耳貯留液の性状、術後聴取成績、チューブ留置期間・感染の有無・脱落後の穿孔の有無、再発の有無、近年さまざまな予後予測に用いられている炎症指標の Neutrophil-lymphocyte rate(NLR)や Platelet-lymphocyte rate(PLR)とした。結果)再発・合併症のなかった症例は85.3%、チューブ脱落後の再留置は13.2%、穿孔は1.5%であった。また予後予測因子として NLRや PLRなどの術前検査や術中の中耳貯留液の性状を含め発表する。
2019/05/10 11:20〜12:20 第2会場