第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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はじめに:炎症を表す簡便な指標の NLR(neutrophil/lymphocyte rate)などはさまざまな予後予測に用いられており、小児滲出性中耳炎(OME)においても中耳貯留液の性状との関係が報告されている。今回、当科小児 OME症例について上記指標を含めて予後に関連する要因について検討した。対象:2012から17年度までに、当科で OMEに対し鼓膜換気チューブ留置術を行った15歳以下の小児161例288耳。口蓋裂合併は86例153耳(53%)であった。方法 :口蓋裂合併例を口蓋裂群、慢性滲出性中耳炎症例を一般群とし、チューブ留置期間と再発率、術中の中耳貯留液の性状、 NLRなどの術前検査所見等と予後との関係について検討した。結果と考察:平均年齢は口蓋裂群で4歳、一般群で5歳であった。チューブの平均留置期間(再発率)は口蓋裂群で549日(58%)、一般群では503日(18%)と口蓋裂群で再発率が高かった。粘性貯留液は両群共に約半数で認め、漿液性の症例と比し再発率が高かった。 NLRは口蓋裂群では有意差を認めなかったが、一般群では漿液性貯留液の症例で有意に低く予後との関連が示唆された。

2019/05/10 11:20〜12:20 第2会場