小児の気管孔管理は、細さや小ささ、肉芽の易形成、成長変化、多様な原疾患と病態などから、成人と比して難しい。当科では2007〜18年に小児(0〜18歳とした)の気管切開を37例、誤嚥防止術を27例施行した。術式、手術時の年齢、体重、原疾患、呼吸器使用の有無、周術期・晩期合併症、カニューレ種類(太さ・長さ)と、行ってきた気管孔管理を検討し報告する。既存のカニューレでは太さで選ぶと長すぎることが多く、喚起不良や気管分岐部近くでの肉芽形成の原因となった。カニューレや吸引管による傷害で生じた気管内の潰瘍や肉芽形成は、定期的な内視鏡観察で早期発見した。カニューレ先端位置はYガーゼの枚数を増やし調節したが、昨今はラインナップが豊富なシルバーラセン入(ファイコン)で対応しやすくなった。カニューレの選択や痰吸引するカテーテルの距離設定を内視鏡観察を基に当科で行って看護師・家族に指導するなど、長期に安全な管理を行うための協力関係の構築が必要だった。気管腕頭動脈瘻や窒息など致死的な合併症は避けられた。
2019/05/10 10:20〜11:20 第2会場