【緒言】「スポーツ外傷」とは運動中の突発的な外傷のことであり、骨折、脱臼、打撲、捻挫などがある。競技のみならずレジャーとしてのスポーツを楽しむ人口の増加に伴い、運動に内在する危険として外傷が一定頻度で発生する。スポーツの種類によって外傷の好発部位は異なるため徹底した注意が必要である。今回われわれはスポーツ外傷のうち耳鼻咽喉科での治療対象となる鼻骨骨折と眼窩吹き抜け骨折の症例を対象に年齢や運動種別、治療法について検討を行ったので、文献的考察を含めて報告する。
【対象】2018年10月31日までの10年間に当科を受診した鼻骨骨折、眼窩吹き抜け骨折症例のうちスポーツが原因の症例。
【結果】全48例、年齢分布は10〜69歳(中央値19歳)、性別は男/女43 /5例であった。外傷は鼻骨骨折/眼窩吹き抜け骨折がそれぞれ32 /16例、治療法は保存的/手術はそれぞれ22 /26例であった。
【結語】耳鼻咽喉科領域におけるスポーツ外傷は機能的障害を来し、かつ治療緊急性を要する場合があるため、適切な治療判断を行う必要がある。
2019/05/10 9:20〜10:20 第2会場