第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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甲状腺嚢胞性病変と自律性機能性結節(AFTN)に対する PEIT療法は有効だが治療効果の乏しい症例も少なくない。今回その有効性の評価と、問題点を明らかにすることを目的として検討を行った。2009年1月より2018年3月までに当科で PEIT療法を施行した甲状腺良性病変(嚢胞性病変9例、自律性機能性結節(AFTN)15例)を対象とした。嚢胞性病変は PEIT施行前後の嚢胞体積で治療効果を検討した。 AFTNは PEIT施行前から施行後約2年間の FT3、 FT4、 TSH値ついて検討した嚢胞縮小率は100%で過去の報告とほぼ同等の有効性が示されたが、 AFTNは有効例44.4%で過去の報告よりも低い傾向が見られた。要因として注入時の痛みの訴えで症例施行回数やエタノール注入量が報告例よりも少なくなることが考えられた。今回の検討で甲状腺嚢胞性病変に対する PEITの有効性が示されたが、 AFTN症例については治療効果が不十分で施行回数やエタノール注入量を増やす手技の工夫や内視鏡手術の導入等が必要であると考えられる。

2019/05/09 17:40〜18:40 第10会場