第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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甲状腺濾胞性腫瘍は濾胞腺腫と濾胞癌に分けられる。組織型は微小浸潤型と広範浸潤型があり、さらに2017年の WHO分類では被膜浸潤がなく脈管浸潤のみを認める群が加わった。細胞診による術前診断は困難で超音波検査による被膜形態の評価以外に診断方法に乏しく試験切除による病理診断が必要である。これまで良悪性鑑別の試みとして超音波検査における血流波形解析、 MRI検査における拡散強調画像( DWI)と ADC値、 RI検査では 201Tl後期像集積所見などが報告されており、検査機器の精度向上、多様化によりさまざまなモダリティを用いて濾胞癌の特徴を術前にとらえる試みなどがなされている。これらのモダリティには形態、機能などそれぞれに得意な評価があり、単独の検査ではなくこれらの情報を統合することで術前画像診断の精度向上が期待できると考えられる。今回当科では甲状腺濾胞性腫瘍に対し、これらの検査結果を組み合わせた評価により濾胞癌の術前検査における診断精度の向上について検討を行ったので報告する。

2019/05/09 17:40〜18:40 第10会場