第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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原発不明頸部転移癌は頭頸部癌の約1.4%を占めるといわれており、診断に利用されるモダリティの性能が向上している現在でも減少していない。2017年に改訂された UICCによる TNM分類では、 p16、免疫染色の陽性例は HPV関連中咽頭癌、 EBVが検出された症例は上咽頭癌として分類されることになった。今回われわれは、過去に治療を行った原発不明頸部転移癌例と原発巣の特定に苦慮した症例について、摘出リンパ節標本を用いて免疫染色を行い、診断への有用性を検討した。対象は、2010年から2017年の間に当科にて頸部リンパ節の病理学的検査で頸部転移癌と診断され、治療前の諸検査で原発を特定できなかった27症例とした。最終的に原発不明症例は9例、原発が判明した症例は上咽頭癌1例、中咽頭癌12例、下咽頭癌4例、肺癌1例であった。免疫染色が可能であった23例について、 p16免疫染色、 EBERの in situ hybridization、 TTF-1免疫染色を施行した。 p16陽性が16例、 EBER陽性が4例、 TTF-1陽性が4例であった。原発と各種染色結果を照らしあわせ、その信頼性を検討する。

2019/05/09 17:40〜18:40 第9会場