第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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対象・方法 :外耳道癌はその大部分を扁平上皮癌が占めるが、腺様嚢胞癌や腺癌も存在する。当科で過去3年間に治療を行った外耳道癌39例(手術29例、非手術10例)中、扁平上皮癌以外の6例を対象として後ろ向きに検討した。年齢は41歳から92歳で男性3例、女性3例、4例は腺様嚢胞癌で2例が腺癌、病気分類は T4が2例、 T3が1例、 T1が3例、観察期間は5カ月から3年である。結果 :T4の1例は手術を希望せず重粒子線治療、残る5例は外側側頭骨切除を行った。 T1の1例を除いて術後照射を追加している。 T4の1例は画像上耳介から皮下を上・前方へ大きく進展しており、耳介、耳下腺、頬部皮膚、表情筋、顔面神経、頬骨弓、下顎枝、咬筋、側頭筋、中頭蓋底骨、硬膜を合併切除、遊離皮弁再建となった。全例現時点で再発・転移を認めていない。考察 :扁平上皮癌と比べ短期的には再発は少なく術後成績はよいが、特に腺様嚢胞癌は術前に進展範囲が正確に同定できないことがあり注意を要する。まだ観察期間が短く、遠隔転移を含めた厳重な経過観察が必要である。

2019/05/09 11:50〜12:50 第9会場