第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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タイトル

【はじめに】喉頭癌・下咽頭癌に対する喉頭全摘術・咽喉頭頸部食道摘出術において、甲状腺の取り扱いは全摘、半側切除(以下、半切)、温存の3通りが考えられるが、これらの適応を明確に記したガイドラインはない。甲状腺を摘出することで、甲状腺・副甲状腺の機能低下に対して生涯の内服が必要になるという短所がある。当科では甲状腺半切とする際には上下甲状腺動脈の温存を基本の術式としている。【目的】当科の治療方針における甲状腺・副甲状腺機能温存率と機能低下のリスク因子を明らかにすること。【対象】2011年7月から2018年9月に当科で喉頭全摘術・咽喉食摘術を行った喉頭あるいは下咽頭扁平上皮癌の38例を対象とした。【方法】カルテ記載を元に年齢、性別、治療内容、残存甲状腺の血管処理、術後甲状腺・副甲状腺機能について検討した。【結果】甲状腺・副甲状腺機能温存率は、全体で54.1%・73.0%、半切例で78.3%・100%であった。半切例の甲状腺機能低下のリスク因子は放射線治療であった。上下甲状腺動脈いずれかの切断はリスク因子とはならなかった。

2019/05/09 10:50〜11:50 第9会場