第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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伝染性単核球症( Infectious Mononucleosis ; IM)は Epstein―Barr Virus( EBV)の初感染によって引き起こされる急性感染症で、発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹、肝脾腫などを主徴とする疾患である。 IMは高率に扁桃炎を併発するが、ペニシリン系やセフェム系抗生物質を使用すると薬疹を誘発することが多々あることが知られており、扁桃炎を見た場合に抗生剤を使用する上で重要な鑑別診断である。生活環境の厳しい昨今では初回受診が救急外来であることもまれではなく、 IMは扁桃炎に比べると罹患数が圧倒的に少ないため、初診時に咽頭所見だけで抗生剤を処方され、その後症状が軽快しない IM患者が耳鼻咽喉科を受診し加療中に薬疹が出現して対応に苦渋することもある。 IMと抗生剤の薬疹の関係は極めて有名なので、ちまたに情報があふれている現代ではインシデント 3aレベルを問われる可能性も否定できない。そのような背景の中、当院を受診した IM患者の臨床像を検討したため、文献的考察を踏まえて報告する。

2019/05/09 17:40〜18:40 第7会場