披裂軟骨内転術の fenestration approachは、甲状軟骨に開けた 1cmほどの穴から手術操作を行うため、助手やコメディカル、学生などと手術視野を共有することが難しい。甲状軟骨の窓を通して披裂軟骨の筋突起を同定するには経験が必要であり、視野を共有できないことは、助手が新たに手術を習得する障害になっている。一方、コメディカルや学生には解剖学的理解が難しい手術のため、術野が見えにくいと、手術の理解がより一層難しくなる。このため、手術視野を共有しながら行える術式の開発が、喉頭フレーム手術の普及と発展のために必要と思われる。本発表で私たちは、 3D外視鏡( VITOMⓇ 3D ; KARL STORZ SE & Co, KG, Tuttlingen, German)を使用し、術者と助手が同じ拡大視野を共有できる外視鏡下喉頭フレーム手術を報告する。視野は8〜30倍の拡大が可能であり、 3Dの視野は遠近感を十分に把握しながらモニター視のみで手術が可能であった。
2019/05/09 10:50〜11:50 第7会場