第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

プログラム

No

タイトル

当科にて通常の気管切開が困難かあるいは高位での気道開窓が必要と判断したため輪状軟骨鉗除を伴う気管切開術(以下輪状軟骨切開術)を施行した症例が2014年8月から2018年9月の4年間に16例あった。これらを後方視的に検討し報告する。輪状軟骨切開を選択した理由は甲状腺腫大5例(未分化癌3例含む)、喉頭截開が2例、輪状甲状靭帯切開からが2例、喉頭低位4例、仰臥位不可1例、出血傾向1例、縦隔へ炎症波及予防1例、気管孔拡大1例であった(重複あり)。合併症は1例に皮下気腫があった。術後出血や肉芽はなかった。転帰は4例は原疾患のため死亡、生存中の12例中7例がカニューレを離脱し、3例は誤嚥防止術が必要で声門閉鎖術を行い永久気管孔となり、2例がカニューレ留置中である。本術式は頸部伸展困難や喉頭低位、甲状腺腫大例などに有用であり、同一視野で輪状甲状靱帯切開にて気道を確保することや喉頭截開への応用が可能で安全な術式であった。

2019/05/09 10:50〜11:50 第7会場