後天性真珠腫における術後の中耳腔含気の状態は再形成の頻度や聴力成績に大きく関与するが、術後の含気状態を術前・術中所見から予測することは容易ではない。当科で外耳道後壁保存型鼓室形成術を行った弛緩部型真珠腫 stage II例100耳を対象として、術後の中耳腔含気度と術前の含気度、年齢、真珠腫進展度亜分類(PTAM)、蜂巣発育の程度(MC)、再形成再発の有無との関係を検討した。中耳腔含気度は術前と術後1年の CTで評価し、「含気なし」、「耳管・中鼓室まで」、「上鼓室まで」、「乳突洞まで」の4段階に分類した。術前の含気は、各々11耳、62耳、12耳、15耳、術後の含気は、5耳、26耳、11耳、48耳となり、術前に比し術後は有意に含気度が改善していた( p< 0.01)。また術前と術後の含気度には正の相関がみられた(p< 0.05)。
2019/05/09 17:40〜18:30 第6会場