第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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タイトル

外耳道を温存する Canal Wall Up( CWU)法は、術野が狭いため手術の難易度・リスクは高くなるが、術後治癒の迅速化、術後処置の簡便化、 cavity problemの防止などの有用性があり、患者の QOLを高く保つことが可能である。今回、真珠腫症例に対する外耳道保存型鼓室形成術の有用性の検証を行った。2009年5月より2017年10月までの8年間に、演者が行った鼓室形成術は1,339例であり、そのうち真珠腫新鮮例は495例、術後性真珠腫が79例であった。真珠腫新鮮例に対する術式として、 CanalWallDown( CWD)法は48例(9.7%)、軟骨や筋膜などで外耳道を再建する Canal Wall Reconstruction( CWR)法は17例(3.4%)、 CWU法は298例(60.4%)、経外耳道的な Trans Canal( TC)法が131例(26.5%)であり、 CWU法と TC法を合わせた外耳道保存型の術式は全体の86.9%であった。また、 CWU法や TC法では、その再発例に対する術式でも CWU法が可能であるが、いったん、外耳道を削開した CWR法では、再建材料にかかわらず、その再発例に対する術式は CWD法を選択せざるを得ない結果であった。

2019/05/09 17:40〜18:30 第6会場