急性高度難聴研究班では外リンパ瘻のカテゴリー分類を改訂し、カテゴリー1が細分化された。改訂された分類では、カテゴリー1は( 1a)あぶみ骨外傷などの迷路損傷、( 1b)頭部外傷など、( 2a)真珠腫や裂隙などの中耳・内耳疾患、( 2b)手術などによる医原性である。またカテゴリー2は外因性の圧外傷、カテゴリー3は内因性の圧外傷により発症、カテゴリー4は明らかな誘因がなく発症した外リンパ瘻である。これは原因・誘因別の分類だが、外リンパ漏出の有無で分類し、漏出を伴う漏出型と、通常は外リンパ漏出がなく瘻孔による症状が顕れる瘻孔型に大きく分ける考え方もある。日本では前者を外リンパ瘻と呼んでおり、米国を中心とした医療文化圏では外リンパ瘻といえば裂隙症候群を意味する。両者ともに聴覚・前庭症状を呈するが、一般的に聴覚症状よりも前庭症状を手術適応の根拠とする症例が多い。文献的考察を加えて自験例を報告する。
2019/05/09 11:50〜12:40 第6会場