第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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【はじめに】当院では宇都宮方式聴覚リハビリテーション(以下聴覚リハ)を取り入れて補聴器による耳鳴の音響療法を行っている。初日から常用を促し、頻回に調整を行い3カ月かけて利得を上げ、ハーフゲインを目標としている。本法の成績を報告し、聴覚リハを継続できなかった症例について検討した。
【対象】2016年4月~2018年7月に当科で補聴器による音響療法を行った耳鳴患者41例。
【方法】初回診察時に医師が耳鳴と難聴のメカニズム、治療目的について説明し、軽度以上の難聴がある場合は音響療法と聴覚リハについて説明し、治療を希望した患者を適応とした。治療効果の評価は THI( tinnitus handicap inventory)を初診時と聴覚リハ終了時に行った。
【結果】3カ月間の聴覚リハを完遂した症例は38例で、 THI値は57 →17と有意に改善した。聴覚リハを継続できなかった症例は3例あり、 THIが低値であり困っていない、良聴耳にも難聴があるが非良聴耳装用のため不便が解消されないなどが原因と考えられた。改めて補聴器による耳鳴の音響療法の適応について考察する。

2019/05/09 10:50〜11:50 第6会場