第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

プログラム

No

タイトル

【目的】内耳感覚細胞に生じた小胞体ストレスはアポトーシスを誘導し、感音難聴の発症に関与することが報告されている。近年、小胞体ストレスはアポトーシスのみでなく、制御されたネクローシスであるネクロプトーシスを誘導することが報告された。しかし、内耳感覚細胞における小胞体ストレス誘導性ネクロプトーシスについては明らかではない。本研究の目的は、内耳感覚細胞における小胞体ストレス誘導性ネクロプトーシスについて検討することである。
【結果】内耳培養細胞として HEI-OC1、小胞体ストレス誘導剤としてツニカマイシンを用いた。透過型電子顕微鏡による観察では、ツニカマシイン処理細胞はネクロプトーシスの特徴を示す細胞形態を示した。また、ネクロプトーシス阻害剤である Necrostatin-1の処理によって、ツニカマシイン処理による細胞死は有意に抑制された。
【結語】内耳感覚細胞において小胞体ストレスはネクロプトーシスを誘導することが示唆された。

2019/05/09 17:40〜18:50 第5会場