第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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EYA4遺伝子変異難聴は常染色体優性非症候性難聴のうち10番目に同定され(DFNA10)、その表現型は言語獲得後の7歳〜30歳代より進行する感音難聴で、水平型の聴力図を呈するとされている。一方、 EYA4ノックアウトマウスは生直後からの滲出性中耳炎と高度難聴を来し、ヒトの EYA4遺伝子変異難聴とは表現型が異なる。われわれは、当院難聴外来に通院中の EYA4遺伝子変異4症例の末梢血より iPS細胞を樹立し、実際の患者における内耳細胞を作製して試験管内で直接的に観察・検討を行うこととした。対象となる4症例については外来にて継続的に聴力検査を施行しており、その聴力図は水平型だけではなく、低音障害型、高音漸傾型、低音障害型から徐々に水平型へ移行するなど、バリエーションが見られている。また、長期経過の中で聴力の変動も認めている。それぞれの症例の iPS細胞由来内耳細胞を用いて、その病態の解析のみならず、細胞レベルでの表現形と、実際の診察における難聴の表現型との関連についても検討を行っており、本演題ではその経過を報告する。

2019/05/09 17:40〜18:50 第5会場