第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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われわれは患者本人がめまい発作時の眼球運動を記録できる自宅眼球運動撮影装置を開発し、めまい発作を頻繁に繰り返すメニエール病確実例を対象に貸し出した。1度のめまい発作に対し、1)発作時、2)発作が治った後、3)治った1時間後、4)発作の翌日の4度の記録を指示した。また、貸し出した全症例に内耳造影 MRIを施行した。全45例中、36例がめまい発作を記録していた。この36例中、14例は発作時に患側向き眼振がみられ、以降少なくとも1度の記録で健側向き眼振を認めた。5例は患側向き眼振のみであった。これら19例中、16例に内耳造影 MRIにて患側内リンパ水腫を認めた。4例は発作時に健側向き眼振がみられ、以降の記録に少なくとも1度、患側向き眼振を認めた。この4例全例で患側内リンパ水腫を認めた。眼振の方向と患側の内リンパ水腫の有無の組み合わせはさまざまなパターンが存在したが、患側に内リンパ水腫を認め、発作時の患側向き眼振が健側向き眼振に変化する症例、すなわち刺激性水腫と考えられる症例が最多であった。

2019/05/09 11:50〜12:50 第5会場