第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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【目的】急性低音障害型感音難聴( ALHL)について昨年の本学会で報告した。 ALHLは比較的予後良好であるが、難治例には再発例やメニエール病( MD)への移行例が含まれる。今回当科で経験した ALHLの再発例、メニエール病への移行例の特徴について検討したので報告する。
【対象】2016年7月から2018年6月の2年間に、日本生命病院耳鼻咽喉・頭頸部外科を受診しためまい・難聴の新患1,056名のうち、 ALHL38例を対象とした。今回、反復発症時に聴力レベルが診断基準に合致する例を再発例、合致しないまたは聴力型が変化する例を MD移行例とした。
【結果】 ALHLの年齢構成は、15歳から82歳(男性10例、女性28例)、平均年齢44.6歳であった。 ALHLの再発例は6例、 MD移行例は7例に認めた。
【考察】 MDの難聴過程を考慮すると、再発例、移行例両群の差は病態の違いよりも、病期の違いではないかと推察された。 ALHLの本態は内リンパ水腫と考えられるが、予後や MDとの関係についても若干の知見が得られた。

2019/05/09 11:50〜12:50 第5会場