2018年より VOGの解析プログラム yVOGの臨床使用が開始された。本プログラムは池田、橋本ら山口大学医学部と画像処理技術を専門とする㈱ YOODSが開発、第一医科器械が製造している。リアルタイムでの水平・垂直・回旋等の眼球運動解析/記録が可能なシステムであり、音声も同時に記録することができる。操作そのものは従来の赤外線フレンツェルと同様である。結果 :1.瞳孔検知に要する時間は習熟につれて短縮し、8〜9秒である。2.本機種を使用した60例中、瞳孔が検知できなかった症例は1例、回旋成分が拾えなかった症例は6症例、検者がまぶたを上げる操作を要した症例は3例でそれぞれ眼瞼下垂、虹彩紋理不明瞭、瞼裂狭小と言った患者側因子によるものであった。装着のみで3次元記録が可能な症例は50例であり、合計53例(88%)の症例で本機種のメリットを生かすことができた。一方、温度眼振検査中の視性抑制では瞳孔の縮小により虹彩の検知が不可能となる問題点がある。また、より精確な回旋成分記録のためのアルゴリズムの作成が望ましいと考えられた。
2019/05/09 11:40〜12:40 第4会場