【はじめに】単眼性回旋眼振は、1906年 Duaneにより最初に報告された。後天性の病態については、1970年に Hoytと Keaneにより Superior oblique myokymiaと命名され、本邦での報告は、極めて少ない。
【症例】数年来、めまいや頭痛はないが、疲労時に右眼のみが動いているという自覚と周囲の光景が揺れる感覚があり、他院神経内科等で精査するも原因不明とされた眼鏡装用の50代男性(コンピュータ・エンジニア)で、当院脳神経内科紹介受診後、当科に紹介された。神経耳科学的検査では、両眼眼球運動を同時に記録可能な赤外線フレンツェル眼鏡( ON-1)にて、右眼の単眼性回旋眼振が記録され、潜伏眼振を認めず、その他の神経耳科学的検査に異常を認めなかった。
【臨床経過】就労時間制限等の指導を行い、再診時には肉眼的に眼振は消失していた。
【考察】 Vascular compressionによる単眼性回旋眼振の報告もあり、今後就労条件、眼鏡指導、生活指導等を行い、慎重に経過を観察しつつ、適切な対処を行いたい。
2019/05/09 10:50〜11:40 第4会場