喉頭全摘後の残存咽頭粘膜に瘢痕性咽頭狭窄を生じた場合、食物による咽頭閉塞を生じやすいと思われるが、明らかな咽頭狭窄がなくとも食物の種類や量によっては咽頭閉塞を生じる場合もある。咽頭閉塞を起こしやすい食物や治療条件を明らかにすることを目的として、2007年4月から2018年4月までの間に当院で喉頭全摘出を施行したのちに咽頭異物による閉塞を生じ当科を受診した17症例8人に関して後方視的に検討した。8人の受診時の年齢は61〜84歳(中央値79歳)で全員男性であった。喉頭全摘を要した疾患は喉頭癌が6例(75%)、中咽頭癌が2例(25%)であった。手術前もしくは後に放射線照射を行っていた症例が6例(75%)に見られた。閉塞が単回であった症例は5人(62.5%)で複数回であった症例は3人(37.5%)で、閉塞を起こした食物は鶏肉や豚肉などの肉類、白子、鮭、大根、リンゴなどさまざまであった。手術前後の放射線照射の有無、繊維成分の多い食事が咽頭異物による閉塞を引き起こしやすい可能性があると考えられ、その詳細を報
告する。
2019/05/09 11:50〜12:50 第3会場