第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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2015年1月から2018年10月までの間に当科で施行された鼓室形成術638例のうち術後性中耳炎78例について検討した。当科受診時の主訴は聴力低下57例、耳漏30例、その他6例であった(重複含)。前回手術は鼓膜形成術4例、外耳道保存型鼓室形成術47例、外耳道削除型鼓室形成術27例であり、術前に穿孔を認めた症例は33例であった。耳漏30例のうち、緑膿菌が4例、 MRSAが1例に見られた。手術はⅠ型17例、Ⅲ型47例(Ⅲc46例 :耳小骨22例、人工耳小骨22例、軟骨2例、Ⅲi1例 :耳小骨)、Ⅳ型14例(Ⅳc14例 :人工耳小骨13例、耳小骨1例)であった。当科では手術に際し病変の徹底清掃、薄切軟骨を補強に用いた inlay法での鼓膜形成、外耳道後壁削除例に対する薄切軟骨を用いた後壁再建や乳突洞の縮小を行っている。加えて耳漏起因菌に対する適切な術後抗生剤の点滴を退院まで継続し、術後処置も厳重に行うことで術後成績の向上に努めている。

2019/05/09 11:40〜12:30 第2会場