第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

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慢性穿孔性中耳炎に対して1989年に湯浅らが接着法を報告して以来、多くの施設で接着法が行われている。外耳道が狭くて弯曲のある症例の鼓膜形成術では顕微鏡下に穿孔縁全周を確認することが困難であり、耳後部切開によるアプローチが必要となる。2014年に報告した当科鼓膜形成術25耳の検討では外耳道の弯曲により12%の症例が術前から穿孔縁全周を顕微鏡下に確認できず、さらに8%の症例は、穿孔縁の新鮮化後に穿孔縁全周を顕微鏡下に確認できなかった。一方、内視鏡下には全例穿孔縁全周を鮮明に確認することができた( Furukawa et al, Otol Neurotol)。当科では2012年以降、鼓膜形成術を全例経外耳道的内視鏡下耳科手術で施行している。大穿孔や鼓膜輪近くの穿孔に対しては tympanomeatal flapを挙上しており、移植片脱落防止のため移植片を前方と後方の2枚を使用する工夫も行っている。2017年までに行われた内視鏡下鼓膜形成術は164耳に至っている。今回当科症例を元に、穿孔閉鎖率・聴力改善率・成功にかかわる因子等について検討し、報告する。

2019/05/09 10:50〜11:40 第2会場