第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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急性呼吸促迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome:以降ARDS)は,様々な疾患を背景に発症する急性発症の呼吸不全の総称で,ひとたび発症すると種々の治療にもかかわらず致死率の高い病態である.肺炎,誤嚥などにより肺が直接損傷される場合や敗血症,薬剤などにより間接的に損傷されることで発症する.
2012年12月より頭頸部悪性腫瘍治療において保険収載された分子標的薬であるセツキシマブ(cetuximab:以降Cmab)は,シスプラチン(cisplatin:以降CDDP)やフルオロウラシル(fluorouracil:以降5-FU)などの殺細胞性の抗がん剤とは有害事象のスペクトラムが異なり,放射線治療と併用する場合には強い皮膚炎や粘膜炎に悩まされることがある.
今回我々は,Cmab放射線併用療法(bioradiotherapy:以降BRT)中に,Grade3の粘膜炎から誤嚥をきたし,それらが誘因でARDSを発症したと考えられた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.

2016/06/24 13:50〜14:26 P51群

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