第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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【はじめに】頭頸部癌の導入化学療法において,日本人を対象としたものの報告は少ないのが現状である.その中で進行頭頸部扁平上皮癌患者を対象としてDTXとCDDP,S-1を併用する治療方法(TPS療法)の第I相試験において,奏効率が70%と良好な成績が報告されている(M. Taharaら).TPS療法は,利便性や治療効果の向上が期待でき,その有効性と安全性について検討することは重要であると考えられる.
【対象と方法】TPF療法における5-FUの24時間点滴持続静注をS-1で代替することによって,遠隔転移のない頭頸部扁平上皮癌を対象としたPhaseII試験を2013年6月から開始した.鹿児島大学病院を含めた鹿児島県内の3施設合同で行っており,2015年12月時点で14例エントリーしている.対象は20歳から75歳の局所進行頭頸部扁平上皮癌で,臨床病期III~IV(TNM分類)とした.RDはDTX:70 mg/m2,CDDP:70 mg/m2,S-1:60 mg/m2とし,Ccrは65 ml/min/body以上を対象とした.治療スケジュールは,3週間(21日)を1コースとして,中止基準に抵触しないかぎり原則2コース繰り返すレジメンである.
【結果】平均年齢は62.6歳で,男性12例,女性2例であった.StageIIIが4例でStageIVが10例であり,14例のうち11例でTPS療法2コース完遂可能であった.現時点で有害事象については重大なものはなく,治療効果判定ではCRが8例,PRが5例,NCが1例の結果であった.治療経過や有害事象についての詳細を本学会で報告する.

2016/06/24 13:50〜14:26 P51群

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