第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

プログラム

No

タイトル

【導入】閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の診断では,無呼吸低呼吸指数(AHI)など閉塞性の呼吸イベントの頻度に重点がおかれているが,睡眠検査では血中酸素飽和度(SpO2)最低値も記録されており,呼吸イベントの程度の強さを示すと考えられる.OSA患者では,通常の生活では考えられないような低い値が睡眠中にみられることが珍しくない.
【方法と結果】当科でOSAを疑われ睡眠検査を行った207人の成人症例について,SpO2最低値に注目して,それに関連する因子について検討した.単変量での解析では,AHI,body mass indexとの間に相関が見られ,糖尿病,高血圧,高脂血症,慢性心不全,脳血管障害の各々につき有病例で有意にSpO2最低値が低い結果であった.性別や年齢,自覚症状スコアとは有意な関連が検出されなかった.多変量解析では,AHIと糖尿病の有無が独立してSpO2最低値との負の相関関係がみられた.
【考察】睡眠中の無呼吸低呼吸の頻度の高い症例は個々の呼吸イベントでの程度も強いことが示され,肥満はいずれも悪化させる因子と考えられる.また睡眠中のより強い低酸素への暴露が糖尿病の悪化につながると思われた.

2016/06/24 14:26〜14:44 P46群

操作