第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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近年はEBMに基づく医療が推奨されており,インフォームドコンセントも重要視されている.また,急性期病院の入院加療はDPCによる保険診療体系となり,一入院一治療で,入院期間の短縮が効率的な医療収入となっている.再手術症例を検討することは,術前説明に信頼性を与え,医師間の情報共有により治療の改善をもたらすだけでなく,より効率的な収入が得られる可能性がある.そこで,今回我々は,再手術症例の現状について検討することにした.
対象は,2009年10月から2015年8月の約6年間に当科入院中に手術室で手術を施行した症例を検討した.当科入院で手術室にて手術を施行した症例は,2503名(男性1417名,女性1086名),2830件(同時に複数手術を施行した場合は1件とした)であった.手術部位別に主目的で施行した手術で分類すると,耳手術588件,鼻手術525件,口腔咽頭・喉頭手術867件,その他頸部手術850件であった.一回の入院中に複数回手術を施行した症例は44例で,一度退院後7日以内に再入院し手術を施行した症例は8例あった.同一入院で複数回手術を施行した症例は,術前や術後の気道確保目的が17例,術後出血の止血術が12例,創部の再建手術が6例であった.退院後7日以内に手術を施行した症例は,気管切開やラリンゴマイクロ手術後喉頭摘出術を施行した症例が3例,術後出血の止血術が2例,永久病理検査結果後追加手術症例が2例であった.気道確保が必要な状態や術後出血が再手術実施に影響を与えやすいと思われた.
各施設で再手術症例を検討することは,より具体的なインフォームドコンセントや気道確保の必要な時期や術後出血をひきおこす状況などの検討が可能になり,有意義であると思われた.

2016/06/24 13:50〜14:26 P45群

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