第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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当院は,病院の行動指針として「Plus Ultra 創造する未来へ」および「元気ホスピタル あなたを元気にする,私も元気になる」を掲げている特定機能病院の指定を受けている大学病院である一方で,地域の基幹・中核病院として,一次医療から三次医療まですべての患者を受け入れている病院としての側面も有している.当院は,平成26年5月に新病院に移転し,病院環境を一新している.新病院では,外来患者呼び出しシステムの導入をはじめとする最新システムが導入されたが,新しいシステムは利便性が高い一方で,各種微生物の間接的伝播の一つのリスクになり得る.
医療現場では,血液をはじめ生体に関わる汗を除くすべての湿性物を感染性とみなして対応する「標準予防策」が感染防止の基本である.耳鼻咽喉科領域では,診察の際に患者の粘膜面に接し,体液に曝露する機会が多い.さらに,喉頭結核症例など空気感染をきたす微生物に遭遇する機会も多い.また,耳鼻咽喉科領域では,しばしばメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA),薬剤耐性緑膿菌などによる感染症も認められ,医療関連感染対策の注意を払わなければならない機会もしばしば経験する.院内感染伝播を防止する方策としては,手指衛生の遵守率向上や,診察室や病室等の環境整備,電子カルテ端末やPHSなどの清潔度の保持などが重要である.特に,PHSは,日常臨床で院内スタッフ間の連絡をとるために必須のアイテムであり,PHSの使用頻度もきわめて高いため,PHSの細菌汚染に伴う微生物の院内伝播も危惧される.今回,我々は,当科医局員が保持しているPHSへの細菌汚染状況および現時点での当科での感染対策に対する認識と現状についても検討したので報告する.

2016/06/24 13:50〜14:26 P45群

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