第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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主に喉頭癌,下咽頭癌の根治治療として喉頭摘出を選択せざるを得ない症例は少なくない.喉頭摘出後の音声再建術は術後のQOL改善の点から非常に有用である.当科では喉頭摘出後の音声再建法としてボイスプロテーゼ(PROVOX® 2/PROVOX® Vega)によるシャント形成術を行っている.当科におけるボイスプロテーゼの適応は(1)喉頭摘出後の音声再建の強い希望のある症例,(2)プロテーゼのセルフケアが可能な症例,(3)呼吸状態が良好な症例,としており二期的再建を原則としている.今回,当科で施行したボイスプロテーゼによる音声再建症例について術後の発声機能や合併症を中心に検討したので報告する.
対象は2011年9月より2016年1月までに当科で音声再建術を施行した12例で,年齢は51~76歳(平均66.0歳),全例男性であった.原疾患の内訳は喉頭癌4例,下咽頭癌8例(空腸再建7例,胃管再建1例),喉頭摘出から音声再建術までの期間は6~43ヵ月(平均17.8ヵ月)であった.術後の音声機能は全例が発声可能で良好な会話機能が獲得できたが,1例が再建音声をあまり利用していない状況であった.術後合併症としては1例で入院を要する肺炎を認めたが,瘻孔の拡大や肉芽形成などの合併症は今のところ認めていない.

2016/06/24 14:20〜15:08 P42群

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