第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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声門下肉芽腫の原因として,挿管手技,チューブによる機械的損傷,感染等がある.いったん肉芽腫を形成すると確立された治療法はなく,治療に難渋することがある.今回我々は声門下肉芽腫の2例を経験したため文献的考察を加え報告する.
症例1は54歳男性,心肺停止後に3日間挿管管理をされていた.抜管約3ヵ月後に気道閉塞感を自覚し声門下に肉芽腫様の腫瘤を認めた.ステロイド吸入薬を処方するも2日後に呼吸苦出現にて気管切開術を施行した.吸気時にステロイド剤が声門下に到達する目的でレーザーを用いて肉芽腫を減量した.徐々に肉芽腫が消失し半年後に気管切開孔を閉鎖した.
症例2は59歳女性,心肺蘇生後に3日間の挿管管理をされていた.嗄声と気道狭窄を主訴に当科受診.声門下に肉芽腫様の腫瘤を認めたため,気管切開術を施行し,デブリッターを用いて肉芽腫を減量した.2ヵ月経過後,肉芽腫は消退傾向にあり,今後気管切開孔を閉鎖予定である.
2例とも喉頭微細手術により肉芽腫に対する治療は著効している.特に症例2においてはデブリッターを使用し肉芽腫の減量を施行しているが,肉芽腫と気管膜様部の境界がはっきり確認していた点で優れていた.

2016/06/24 14:20〜15:08 P42群

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