第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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【はじめに】喉頭乳頭腫はヒト乳頭腫ウィルス(HPV)感染に関連した疾患である.特に再発性・多発性の強い,喉頭乳頭腫(recurrent respiratory papillomatosis:RRP)は手術も複数回におよび治療に難渋することがある.治療の基本は外科的切除であり,再発・多発症例では補助療法を併用する.今回我々は喉頭乳頭腫の診断で手術加療を施行した症例を対象に,手術治療ならびに術後補助療法について若干の文献的考察を含め検討したので報告する.
【対象と方法】当科で2001年3月から2013年12月までに喉頭乳頭腫の診断で手術加療を施行した症例11例を対象とした.各症例について,カルテレビューを行った.
【結果】性別は男性9例,女性2例で,平均年齢は56歳(18~85歳)であった.若年発症型は1例であった.HPV陽性は7例で,6型が3例,11型が2例,16型が1例であった.手術回数は当院と他院で施行した回数を含め平均4.2回(1~11回)であった.手術方法は,以前はマイクロデブリッダーのみ使用していたが,近年はマイクロデブリッダーとCO2レーザーを併用している.術後補助療法は近年,補中益気湯やI3Cを併用している.再発率を検討すると,術後補助療法として補中益気湯やI3Cを使用した症例が有意に再発を抑えられていた.
【まとめ】喉頭乳頭腫治療は難渋することが多い.手術治療としてマイクロデブリッダーとCO2レーザーを併用し,術後補助治療として補中益気湯等を併用することで,再発をある程度防ぐことが可能であると考えられる.

2016/06/24 14:20〜15:08 P42群

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