第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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稀とされる甲状腺重複癌が偶発的に発覚し,甲状舌管囊胞への転移を認めた症例を経験したので報告する.症例は高血圧・逆流性食道炎にて内科定期受診時に頸動脈超音波を施行し偶発的に甲状腺腫瘍が発覚したため当科紹介となった.甲状腺両葉に石灰化を伴う腫瘍を認めたため各種画像検査を施行のうえ両葉の穿刺吸引細胞診を施行した.右葉から乳頭癌細胞を採取し,左葉からは採取されなかったが画像検査上は右葉の腫瘍と同様の所見を示していたため甲状腺全摘術および両側傍気管リンパ節郭清術+頸囊摘出術を施行した.摘出検体の病理結果は右葉が乳頭癌,左葉が濾胞癌であった.また,右の摘出リンパ節および25年前より存在し穿刺吸引細胞診時には異型細胞を認めなかった甲状舌管囊胞の壁にも5 mm大の乳頭癌転移を認めた.放射性ヨード内服治療を施行し現在経過観察中である.

2016/06/24 14:38〜15:14 P40群

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