第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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エラストグラフィーは2003年に開発され,乳癌の分野で用いられてきた.当院でも2010年より甲状腺腫瘍に対してエラストグラフィーを使用して甲状腺腫瘍の鑑別・腺内転移の評価を行ってきた.エラストグラフィーによる診断基準はまだ確立されていないため,エラストグラフィーの結果は,その色調に従い,2010年Rogo Tらによって報告された3段階により分類した.Score1(弾性)~Score3(硬性)とした.2010年4月から2013年12月まで,術前診断にエラストグラフィーを行い甲状腺腫瘍の摘出術を行った173例について検討を行った.女性129例,男性44例,平均年齢62.9歳であった.腫瘍の内訳は悪性腫瘍97例(乳頭がん79例,濾胞癌12例,髄様癌3例,悪性リンパ腫3例),良性腫瘍76例(濾胞腺腫38例,腺腫様甲状腺腫37例,アミロイドーシス1例)であった.結果は,悪性腫瘍と良性腫瘍全体で検討すると,感度は92.3%,特異度は83.1%,陽性的中率は77.6%,陰性的中率は94.5%であった.乳頭癌では感度は95.0%,特異度は76.2%,陽性的中率は85.8%,陰性的中率:95.8%と,高い結果を示しエラストグラフィーは有用と考えられた.エラストグラフィーでの評価基準は確立されておらず,今後症例を重ねて検討していきたい.

2016/06/24 13:50〜14:38 P39群

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