第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

プログラム

No

タイトル

石灰沈着性頸長筋腱炎は頸長筋腱にhydroxyapatiteが沈着することで起こる急激な頸部痛,嚥下時痛を伴う二次性炎症性筋炎であり,保存的加療で改善する予後良好な疾患である.本疾患は咽頭後間隙に軟部組織の浮腫を生じ,画像上咽後膿瘍と類似するため,治療方針を決める際に鑑別が重要である.今回われわれは咽後膿瘍が疑われた石灰沈着性頸長筋腱炎の1例を経験したので報告する.
【症例】45歳女性.
【主訴】後頸部痛,嚥下時痛.
【既往歴・家族歴】特記すべきことなし.
【現病歴】X年8月30日から上記主訴が出現した.近医で抗生剤,鎮痛剤を処方されるも症状改善されず,9月4日当科紹介受診となった.CTで咽後膿瘍が疑われ入院を勧めたが,拒否されたため抗生剤を処方し帰宅とした.9月7日の再診時には症状,採血結果ともに改善していた.RetrospectiveにCTをみてみると初診時のCTで環軸椎前面に石灰化があり,周囲の造影効果を伴わない低吸収域の存在から石灰沈着性頸長筋腱炎の診断に至った.

2016/06/24 14:14〜14:38 P34群

操作