第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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喉頭異物は日常臨床でしばしば遭遇し,魚骨や義歯などが多く,診断・治療が容易な場合も多いが稀に困難な症例も存在する.我々は歯科治療の器具が落下した症例を経験したので報告する.
症例は58歳男性.歯科治療中に咽頭違和感を生じた.治療終了後,治療後器具の数が合わず,状況から治療用のドリルのバー先が落下したと考えられ,当科紹介受診となる.初診時,声門上にかかり,右傍声帯間隙に刺入する先端が鋭利なバー先を確認した.周囲粘膜の腫脹はなし.CT実施し,梨状陥凹に至らないこと,甲状軟骨・披裂軟骨に達していないことを確認した.十分に喉頭麻酔施行後,懸垂頭位,軟性内視鏡観察下に万能喉頭鉗子にて摘出した.出血や腫脹はなく,特に問題なく終了し,術後レントゲンでも異物残留のないことを確認した.
声門上の喉頭異物でも歯科治療に伴うものは珍しい.口腔内治療使用後の治療器具の数や破損の確認の重要性を再確認させる症例であった.

2016/06/24 13:50〜14:20 P29群

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