第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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近年頭頸部癌は高齢化にともない増加傾向にある.また上部消化管内視鏡を受ける機会の増加に伴い,下咽頭癌などが早期発見されることも多くなっており,咽喉頭癌に対するESD,ELPSは現在標準的な治療となっている.
当科でも2014年より消化器内科と合同でESDやELSPを行っており,2015年まで10例に対して治療を行っており,内訳は中咽頭癌2例,下咽頭癌7例,頸部食道癌1例であった.全例男性で,年齢は54歳から84歳まで平均65.4歳であった.新鮮例7例,放射線化学療法後の症例が3例であった.受診契機は上部消化管内視鏡の際,指摘をうけたものが6例と半数以上であった.抜管の有無にかかわらず,術後はほとんどの症例で1日程度ICUでの管理を行った.合併症として,抜管後に気道狭窄を生じ緊急気管切開を行った症例を1例経験している.平均入院期間は29.2日であり,気管切開を行った症例や高齢者,もともとPS4であった症例などで十分な傾向摂取が可能となるまで,長期化したことが入院期間延長の原因であった.特に問題のない症例は術後10日から2週間程度で退院している.高齢化,機能温存,高侵襲回避のため,今後も咽喉頭癌に対するESD,ELPSの適応は増加していくと予想され,化学放射線治療後など非新鮮例も増加すると推測される.今後は術後の管理に関しても,検討改善が必要と考えている.当科で治療を行った症例に関して,さらに考察検討を加え報告する

2016/06/24 14:26〜15:02 P28群

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