第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

プログラム

No

タイトル

極めてまれな上咽頭滑膜肉腫症例を経験したので報告する.
症例は39歳男性で,鼻閉を主訴に近医耳鼻咽喉科を受診したところ,後鼻漏と上咽頭腫瘍を指摘され,当科を紹介された.当科初診時,上咽頭後壁に壊死傾向がなく,表面平滑で比較的軟らかい腫瘍を認めた.外来での鉗子生検では多列線毛上皮に覆われたリンパ組織で悪性の所見はなかったが,手術切除の希望があり,全身麻酔下にネラトンカテーテルにより軟口蓋を挙上し,経口的に腫瘤を切除した.病理診断は免疫染色と腫瘍細胞遺伝子検査(SS-18/SSX-1融合遺伝子)の結果,滑膜肉腫となった.PET-CTにて両上内深頸部に集積を認めたため,全身麻酔下に両側頸部リンパ節生検を行ったが,転移は陰性であった.その後,重粒子線(炭素イオン線)治療を行い,局所はCRとなった.治療後14ヵ月の現在,再発なく経過良好である.

2016/06/24 13:50〜14:26 P27群

操作