第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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口蓋扁桃悪性腫瘍のうち転移性腫瘍は1%未満と稀であるが,その予後は不良で長期の生存は望めないとされている.今回我々は,乳癌の扁桃への転移症例で長期にわたる生存例を経験しているため,文献的考察を含め報告する.
症例は66歳女性.38歳で左乳癌手術の既往あり.咽頭痛および右顎下部腫瘤を主訴に受診.右顎下部リンパ節からの穿刺吸引細胞診結果はclass III異型細胞.PET-CTで右口蓋扁桃と顎下部/上内深頸リンパ節にFDG集積.扁桃生検にてのHE染色では低分化腺癌の病理診断.上部消化管内視鏡およびCTでの全身検索では原発巣を同定できず,原発不明癌の扁桃転移として右頸部郭清を施行.後日の免疫組織学的検索にてPgR陽性,ER陽性にて乳癌の転移性再発と最終診断.Her-2陰性であったため抗ホルモン療法を開始,以降外来にて化学療法を行っている.現在は担癌状態で初診時より5年間経過観察中である.

2016/06/24 13:50〜14:26 P27群

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