第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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胚中心進展性異形成(Progressive transformation of germinal center,以下PTGC)は原因不明のリンパ節腫大病変である.ホジキンリンパ腫の前駆病変と考えられていた時期もあったが現在は否定的であり,むしろIgG4関連疾患との関連が報告されている.今回我々はPTGCによる頸部リンパ節腫脹を認めた症例を経験したので報告する.
症例は76歳女性で,左頸部に複数の無痛性で可動性良好なリンパ節腫大を認めた.悪性リンパ腫の可能性や17歳時に結核の既往があることから結核性リンパ節炎の可能性が考えられた.確定診断のためにリンパ節生検を施行したところ病理組織よりPTGCと診断された.免疫組織染色にてIgG4陽性形質細胞の増生を認めたが血清IgG4の上昇は認めなかった.IgG4関連疾患について全身検索を行ったが他臓器に病変を認めなかった.現在は無治療にて経過観察中である.

2016/06/23 17:30〜18:06 P23群

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