第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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【はじめに】アレルギー性鼻炎の有病率は増加しているのが現状である.小児においても,同様の傾向を認める.アレルギー性鼻炎の原因抗原は様々であり,その抗原を調べることは重要である.そこで,当科におけるアレルギー性鼻炎が疑われた小児に対して施行されたCAP-RASTの検討を行った.
【方法】北里大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診し,問診と鼻内所見からアレルギー性鼻炎が疑われてCAP-RASTを施行した1歳から15歳までの小児231例を検討した(男155例,女76例,平均9.3歳,中央値9歳).期間は2006年1月から2014年12月の9年間.検査項目は16項目(スギ,ダニ,ハウスダスト,その他13項目)クラス1以上を陽性とした.
【結果】全症例対象の陽性率はスギが最も高く,63.6%であった.以下,コナヒョウヒダニ58.1%,ハウスダスト57.6%,ヤケヒョウヒダニ56.7%であった.スギでは3歳から陽性者を認め,11歳で陽性率89%と最高値を示した.ヤケヒョウヒダニでもスギ同様に3歳から陽性者を認め11歳で陽性率78%と最高値を示した.ヤケヒョウヒダニ陰性者でスギ陽性を認める割合は20.8%であった.
【まとめ】スギ陽性の割合が最も高いことから,スギによるアレルギー性鼻炎患者の増加が示唆された.ダニなどの通年性アレルギーに感作されず,季節性アレルギーに始めから感作される症例が一定の割合で存在することが示唆され,通年性アレルギー対策だけでなく,早期から季節性アレルギー対策も行うことが重要であると考える.

2016/06/23 17:30〜18:06 P19群

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