第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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【はじめに】近年アレルギー疾患は増加しているが,アレルギー性鼻炎においても例外ではない.馬場らの報告ではアレルギー性鼻炎の有病率は39.4%であり,通年性アレルギー性鼻炎の有病率が23.4%であるのに対し,スギ花粉症は26.5%と比較して増加しているのが現状である.またそれだけではなく,低年齢化も問題になっている.そこで今回我々は川崎医科大学耳鼻咽喉科で施行したアレルギー抗原検査のなかで,15歳以下の小児に注目して検討したので報告する.
【対象・方法】2000年1月1日から2014年12月31日までに当院当科を受診した鼻症状を有する患者に対し,アレルギー性鼻炎抗原検査(CAP-RAST)を施行した患者2276名のなかで15歳以下の279名を対象とした.検査項目は特異的IgE抗体(動物上皮(以下動物),カビ,ハウスダスト(以下HD),コナヒョウヒダニ(以下ダニ),カモガヤ,ブタクサ,ヨモギ,スギ,ヒノキ,ゴキブリおよびユスリカの11項目)において検討した.
【結果・考察】対象患児の内訳は男児175名,女児104名であった.平均年齢は10.2歳で男児,女児ともに差はなかった.感作率で最も高かったものはHD 76.0%であり,ついでダニ70.1%,スギ55.9%,動物48.2%,ヒノキ40.5%,カモガヤ38.0%の順であった.成人と異なり,小児では通年性抗原の感作が多く,季節性抗原よりも感作率が高い傾向であることが示唆された.

2016/06/23 17:30〜18:06 P19群

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