第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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Lemierre症候群は先行する上気道感染をきっかけに嫌気性菌による内頸静脈の血栓性静脈炎を来し,続発する肺の多発性結節影(septic emboli)に代表される転移性病変を呈する症候群である.抗生剤の発達に伴い,稀な疾患となったためforgotten diseaseといわれている.比較的若年者に多く,扁桃炎を含む口腔・咽頭感染を契機に発症することが多いとされている.
症例:78歳女性.骨破壊を伴う右蝶形洞炎,右内頸静脈にseptic emboli,右肺上葉に転移性病変を認め,Lemierre症候群と診断した.抗生剤投与,抗凝固加療および,診断・治療のために右蝶形洞開放術を施行した.血栓は残存するも転移性病変は消失し,全身状態は改善した.
今回,われわれは蝶形洞炎を契機に発症した非典型的なLemierre症候群が疑われた1例を経験したので典型例と比較し報告する.

2016/06/23 18:00〜18:36 P18群

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